2015年10月17日土曜日

偶 々 1017


信州松本と上田の、あひだの
標高2千㍍弱の武石峠から、東に眺める、からまつの森はいま、
ものすごい黄金色の波、だと思ふ。
山裾がぜんぶ、からまつの黄葉。
丸子から1時間。
松本からも延々と、1時間。
それでも、みてほしい。

  偶 々
   
飽くるなく 茜ほりけり 生薬師
川底浚ふ 盥ふるびて 水の秋
山の奥 熟柿しづかに 眺めゐる
錆色の あきのひかりの なかにをり 
青北風や きつといつかと 四、五十年
雨の日も 蔦のあかりの 山家かな

                                      (写真はショウガ)

2015年10月8日木曜日

サラ・ムーン


昭和49年。
いまから40年前の雑誌
「nonno」が出てきた。
写真家サラ・ムーンの
特集頁があった。

モスグリーンの
フォルクスワーゲンに
乗っていたことを知る。



標高6百㍍の信州松本はもう、
冬がすぐそばに来てゐますね。

真冬の城山公園へのぼる坂の途中からの夜景、
五月のアルプス公園の茶屋からみる安曇野は、
絶景ですね。

そんな素敵な信州を捨てた理由、といふよりも、
信州の厳しさに、わたくしは放擲されたのだらうと。
なにしろ、此の地の冬は、野良は生存できません。
天にいちばんちかいので、ひとびとも倫理的ですから。

里山辺で採れる、信州林檎種秋映が、皮が厚ひのは、
寒暖の差がはげしひゆへでせうか。
そして、とてもあまひ。

  偶 々

きつといつか と四、五十年も あわだちさう
碓井越え かなわぬままの あわだちさう
生姜きざむ 素蕎麦に入れむ 秋気澄む   (新そば)
十月や のんすとつぷで 城下くだる     (松本沢村から、城まで、ペダルをこがずにゆく快感)
ぶだうみち いちもくさんに 夕餉かな     (松本里山辺の葡萄畑の幸福)

猫語ならぬ かぴぱら語あるや 秋昼寝   (俳人の御写真ながめつ)
銀杏散る なか学生純愛 あふる構内    (国立大学の才女は真面目だ)
古製麺機 買ひがすとんばしゅらあるの 夢想かな(粉というメタファー)
湯のあとを ははそもみじの こみちかな  (常磐湯本御幸山にて)
よいだらう ひとり秋鮎 焼く午後も    

白湯うく 昨夜の相場 みだれたり      (澄江堂句集を読む)
錆色の あきのひかりの なかにをり    
いちにちじう 茜ほりけり 生薬師      (茜根は漢方)
寒月や 真鍮集めの みちくらし       (金属くずは資源。されどまずし)
さくらもみじ ちりはてるなか 結審す    (司法記者のころのできごと)

2015年10月3日土曜日

紫蘇の梅干をいただく




紫蘇の梅干をいただく。

以前、買取したお宅で。

一瓶。

アルマイトの弁当箱を取り出して、

白いご飯のうえに二つのせて、

3時間後に食べる。