2016年1月1日金曜日

偶々0101




元日。
昨年の手帳の、きょうの部分をめくると、
「藤井貞和を読め」とあった。
藤井貞和の詩論を探そうとしていた痕跡だ。
事務所の廊下に、1986年2月の「文学」が落ちていて、
拾って、ぱらぱらめくっていたら、
藤井の助教授時代の論考が1本載っていた。
偶然かもしれない。読んだ。

「フルコト」からはじまり、
和歌の構造性に言及し、
最後に、
古代の、和歌と歌謡の構造の、
すぐれた詩的言語論を展開した、として
藤原浜成「歌経標式」にいたった。
「古事」と「新意」、
「喩」と「実」。

実に772年に、構造的詩論が展開されていたのだ。

朝日が差しはじめたころから
白川静「字訓」、「日本歌語事典」を手元に置いて、
古い日本語を探っていた。
学びがつながった。


  偶 々

初星や 鍛(かぬち)の音の 天よりす
吉隱(よなば)れる 山脈(やまなみ)しろく 眠りけり 
さゆ朝は 佐夜氣久淸し 山の道
水銀灯に 冬雨したたる わかれかな
ふゆぞらに 市電火花を 散らしゆく
うらん飛ぶ 靈座(さと)の地(つち)は 裂けし儘     (生地に立つ)
御降りの 今朝に驚く 配達老
水疾く 蠟梅遅し 山の賀比(かひ)